| ■相続税:連帯納付制度 |
不動産業界において現在、様々な問題取り上げられてきています。
「耐震偽装問題」・「アスベスト問題」・「賃貸借における現状回復問題」などはある程度の方向付
けが出来ていますので、消費者の方には明確な事項がご説明できてくるはずです。
今月は、それらの事項とは関係はないのですが、相続における「連帯納付の廃止論」について触
れてみましょう。
現行の制度においては、法定相続人の一部が相続税を滞納した場合、他の相続人に対して滞納
した相続人の相続税を支払うよう税務署から督促受けることになります。
まず、税務署は、相続税を支払わない相続人に対して督促を行い、そのうえ、支払わない場合は
財産を差し押さえます。
次に、問題なのですがこの督促によって回収のメドがたたない場合、他の相続人に対して「相続
税の連帯納付義務のお知らせ」を書面にて送付します。
そして、この通知により支払いがない場合、督促帖が送られるのです。
この連帯納付の制度については、相続税法第34条に規定されています。つまり、相続税を支払
わないものがいた場合、他の相続人に支払い義務が発生する仕組みと言うわけです。
|
| ■相続税法(抜粋) |
第三十四条 (連帯納付の義務)
- 同一の被相続人から相続又は遺贈(第二十一条の九第三項の規定の適用を受ける財産に係る贈与を含む。以下この項及び次項において同じ。)により財産を取得したすべての者は、その相続又は遺贈により取得した財産に係る相続税について、当該相続又は遺贈により受けた利益の価額に相当する金額を限度として、互いに連帯納付の責めに任ずる。
- 同一の被相続人から相続又は遺贈により財産を取得したすべての者は、当該被相続人に係る相続税又は贈与税について、その相続又は遺贈により受けた利益の価額に相当する金額を限度として、互いに連帯納付の責めに任ずる。
- 相続税又は贈与税の課税価格計算の基礎となった財産につき贈与、遺贈若しくは寄附行為による移転があった場合においては、当該贈与若しくは遺贈により財産を取得した者又は当該寄附行為により設立された法人は、当該贈与、遺贈若しくは寄附行為をした者の当該財産を課税価格計算の基礎に算入した相続税額に当該財産の価額が当該相続税の課税価格に算入された財産の価額のうちに占める割合を乗じて算出した金額に相当する相続税又は当該財産を課税価格計算の基礎に算入した年分の贈与税額に当該財産の価額が当該贈与税の課税価格に算入された財産の価額のうちに占める割合を乗じて算出した金額に相当する贈与税について、その受けた利益の価額に相当する金額を限度として、連帯納付の責めに任ずる。
- 財産を贈与した者は、当該贈与により財産を取得した者の当該財産を取得した年分の贈与税額に当該財産の価額が当該贈与税の課税価格に算入された財産の価額のうちに占める割合を乗じて算出した金額として政令で定める金額に相当する贈与税について、当該財産の価額に相当する金額を限度として、連帯納付の責めに任ずる。
|
| ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ |
法定相続人が複数いる場合など、納税を終えた相続人も非常に不安定な立場に置かれ、トラブルの原因、そして訴訟へ発展する例も少なくないのが現状です。
今、この相続税の連帯納付制度に対して、日本税理士会連合会と日本弁護士連合会が共同して廃止を求める意見を表明したのです。
そのため、政府税制調査会などが本格的な議論が進められる可能性が高まってきました。
このコラムをお読みいただいた方の中には、「連帯納付制度」そのものを知らなかった方もおいでになるのではないでしょうか。
法律などで定められている以上、「知らなかった」では済まないケースも多くあります。
今後も出来る限り、不動産業に付随する部分も含めて皆様にご紹介してゆくつもりです。
今後とも宜しくお願い申しあげます。 |