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2005年10月31日

相続体験記:其の壱 第34話(決断のとき)

すでに承諾をせざるを得ない様子である。

あとの問題は、Aさんに対する気持ちの問題なのでしょう。

ここで言う「気持ちの問題」というのは、以前のようなことではないようです。

つまり、Bさんは、承諾をするにしてもBさんの顔が立つようにしてもらいたいのです。

要するに、承諾をするにしても、再度Aさんに頭を下げてもらいたいのでしょう。

私は、Bさんに対し、

「AさんからBさんに対し、今までの経緯も含めての謝罪、そしてお願いをさせていただきます。そして承諾をいただけますでしょうか。」

そして、Bさんから承諾をする旨承諾をいただいたのです。

数日後、AさんはBさん宅へ伺った。

最終的にその後、協定書の内容の打合せなどあり、7月の終わりに青地の境界立会い、私道の件ともに解決した次第です。

皆様は、「このような方もおいでになるのか。」と思われるかもしれませんが、相続をお手伝いする際には、必ずと言っていい程このようなことがあります。

ほんの些細なことでこじれてしまうのですから、本当に人とのお付き合いは難しいものだと思います。

話は変わりますが、協定書の内容につきましては、私道の隣接者であるCからも了承をいただきました。

その結果、私道に接するCさん、Dさんそして青地に接する方、併せて3件の方につきましても無事売却の予定が立ち、ほっとした次第です。

第34話 終わり

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投稿者 飯島 : 18:36

2005年10月29日

相続体験記:其の壱 第33話(決断への説得)

久しぶりにBさんとお会いしている、以前にお話したとおり、Bさんのお宅へお伺いさせていただく際、和室に通されるのだが、庭木などは見事に整姿・せん定されているのです。

Bさんとのやりとりの中でやはり気にされているのは、財務局からの連絡のようです。

私は、Bさんへ財務局に申請をした際、境界の了承をしているにもかかわらず境界とは別の理由により立ち会印の提出が遅れると財務局の立ち会いをお願い出来るなどその経緯、

そして、Bさんがこのまま承諾をしなければ、今後、Bさんへ相続など青地に接している土地を売却しなければならない時、隣接者は誰ひとり承諾などする筈などないと言うことを説明した次第です。

その後、私道の件につきましても持分をもらえない場合など主張を通すと言うことが未来永劫にわたり、Bさんにとってどれだけマイナスになるのかを重ねて説明を行った次第です。

Bさんの考えなどを伺っていると、さすがに納得するというか、せざるを得ない様子です。

今回、Aさんの相続処理として、Bさんとの打ち合わせをさせていただいているのですが、Bさんからみましても、こちらサイドの提案を承諾した方が得なのです。

あとは、気持ちの整理だけでしょう。

「この件につきましては、Bさんのためでもあるのです。これ以上反対はやめましょう。」

きっぱり、Bさんに対してお話をさせていただいた。

第33話 終わり

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投稿者 飯島 : 18:05

2005年10月27日

相続体験記:其の壱 第32話(報告の大切さ)

私道に接している2件の処理については、Cさんの心配する部分を取り除く内容にすれば問題なく進むであろう。

ここでいったん整理をすると、
《当初の予定》
●相続税額が約15,000万円
●父の相続時に約8,000万円の延納をしていること。
以上の相続税の納付および延納分を軽減するため、借地11件を売却などの手段を検討する。

《現在の状況》
●借地11件のうち8件は売却が可能である。
●借地の残る3件については、
①1件は、青地の境界確定が出来れば借地権を購入。
②2件は、道路の査定が完了出来ておらず、未だ調整が終了していない。
という内容となっております。

借地の2件(道路の査定の問題含む方)は別にして、何とか青地の境界確定を行い、処分したいところです。

ちょうどその頃、Bさんから連絡が入りました。
近いうちに会って打ち合わせをしたいとのことです。
多分、財務局から「当初は了承していた境界について承諾をしないのか現地にて確認を行う。」連絡が入り驚いているんでしょう。

なぜ、私へ連絡が入ったのかと言いますと、
実は、Bさんとはしばらく会っていないのですが、Cさん・Dさんの経緯などにより私道をどのようにするかなどレポートにして奥様に渡しておいたのです。

その結果、しばらく会っていないとは言え、また、印象も悪くならず頼ってきていただいたのでしょう。

第32話 終わり

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投稿者 飯島 : 15:58

2005年10月24日

相続体験記:其の壱 第31話(順調な相続処理)

昨日、Cさんとの打合せを終え、今日はDさんとの打合せである。

Dさんとは、Aさんの自宅にて一度お会いした際、すでに意思を確認している。

Dさんは借地権を購入するのではなく底地権者であるAさんと第3者へ所有権にて売却を行いたいとのことなのです。

そこで本日の打合せと言うのは、底地と借地の按分を正式に取り決めることなど、契約に向けた調整です。

Dさんのように底地権者の方に同意を求めて借地権と併せ、所有権として売却される方と言うのは、結構多いのです。

今回はすんなり売買価格の按分も決まり、問題は無いのですが、権利金の授受があるのか否かなど多少問題を抱えるところあります。

理由としては、歳をとってきたのでこの際に駅近のマンションへ引越しされたいとのことでした。

売却先についても、知り合いの不動産業で購入をいただくことが確定しているのでスムーズにことが運びそうである。

不動産業者が私道に接しているところを購入する際には、私道の持分をいただけるように掛け合ってもらいたい旨条件を付けられるケースが多いのです。

私道の持分をいただけるか所有者に掛け合う苦労はありますが、今回はその逆ですから非常に助かります。

順調に流れていて私道の件も問題なく解決できそうです。
何事もこのように順調に行けば楽なのですが・・・・。

さて、Bさんの件ですが最後にお会いしてから、こちらサイドから連絡を入れていないが、Bさんからも連絡がない状態が続いています。

近いうちにBさんの気持ちに変化があるのか確認をしなければならないでしょう。

第31話 終わり

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投稿者 飯島 : 18:31

2005年10月22日

相続体験記:其の壱 第30話(承諾のための作戦3)

数日後、私は私道に隣接している方との打合せのため、借地権者の自宅へ向かっていた。

まだ、6月だと言うのに非常に暑い日が続いている。

土地家屋調査士の先生には前回お伝えしたとおり、財務局へ立会の承諾書が遅れている理由を伝えていただいた。
その結果、財務局も理解いただき、Bさんとの現地立会いを了承いただいた次第です。

今日が私道に隣接している2件のうち1件(Cさん)明日がもう一方(Dさん)である。

ここまで6件の借地権者の方との打合せの結果、購入をする旨意思を確認している。

このお二方にもすでに購入の意思がある旨を電話にて確認しているので、気は楽であった。

今日お会いするCさんは非常にまじめな方であり、物事を一つ一つ説明のうえ、整理していく必要がある方のようです。

先ほどお話したとおり、Cさんには購入の意思をお伝えいただいていますので、売買価格の確認、諸経費・契約の流れの説明が主な打合せの内容である。

その説明の中にて私道の持分もあわせて移転することを伝えたのである。

私道の持分の対象となる方および協定書の内容までひと通りの説明はさせていただいた。

「飯島さん、Bさんも持分を持たれるんですね。」

話を伺うと、CさんもBさんに対して心配される部分があるようなのです。

詳細なことは控えさせていただきますが、Cさんの心配されることは私道の協定書を締結すれば解決することのようです。

そのことを伝えるとともに、物事を一つ一つ解決されるタイプの方ですから、

「Cさん、この協定書を締結すれば今までのことは解決できます。ただ、もう一度今までのことを振り返り、そのことがこの協定書にて解決できるか確認してください。」

急いでも仕方がない。次の打合せ日を取り決め、Cさんにはご確認をいただくことにしてその日の打合せは終了した。

第30話 終わり

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投稿者 飯島 : 18:01

2005年10月20日

相続体験記:其の壱 第29話(承諾のための作戦2)

これは、大丈夫なのです。

理由についてお話をしますと、

①私が財務局を尋ねたとき、Bさんはすでに境界について承諾をしていた。

②境界の承諾はしているが、Aさんに対しての気持ちの部分で未だ判をいただいていない状態である。

このような場合には、財務局にその旨を伝えれば現地にて確認をしていただけるのです。

ただ、全てがこのようにしていただける訳ではありません。

また、いくら現地立会いを行っても最終的には承諾書が必要であることには違いはないのです。

皆様もこの点は十分気をつけてください。

このような点から、Bさんの態度が定まらない原状を打破するため、財務局にお願いをする訳なのです。

Aさんも土地家屋調査士の先生も理解できたようです。

「しかし、そんなこと出来るんですね。」

「出来ると言っても先ほどお話したように、最終的には承諾は必ず必要ですよ。
失礼な話、財務局が直接現場に来ることによって、Bさんに『ここまで具体的なのか。』
と言うことを理解をしていただくことが目的です。
また、それまでに、私道に隣接している借地権者の方の購入の意思があるのか、そして私道の件を具体的にしなければならないでしょう。」

財務局からの連絡が号令になった訳ではないが、

土地家屋調査士の先生には、財務局に打合せとおり連絡をしていただき、私は私道に隣接する借地権者の方へ早急に連絡を取り、具体的な方向へ進めていくことになった。

第29話 終わり

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投稿者 飯島 : 17:18

2005年10月17日

相続体験記:其の壱 第28話(承諾のための作戦)

借地権者との打合せに10日ほどかかり、Bさんの方へはこちらサイドから連絡は取らずにいた。

この間、財務局から土地家屋調査士へ連絡があったようである。

「青地の件について書類の提出がいつになるのか。」といったところでしょう。

「どうしましょうか。」

土地家屋調査士の先生から困った様子で連絡が入った。

困って連絡をいただいても、隣地の承諾は全く問題がありません。と言い切ったのは自分なのである。

「先生がトロトロしてるからおかしくなったんでしょう。自分で考えればいいでしょう。」

と言いたいところである。(冗談ですが・・。)

「先生、財務局に連絡を入れる際、お願いしたいことがあるのですが、お会いできませんかね。」

たまたま、Aさんの測量があるというので近くにおいでになるとのこと。

Aさんの自宅でお会いすることにした。

「飯島さん、どのように話をすればいいですか。」

開口一番こうである。

「先生、そんなにあせらないでくださいよ。財務局は、私の当初の話と違うのかと言ってるんでしょう。」

財務局から見れば私の話がウソで隣接地の承諾が取れていないんではないのか。というところでしょう。

「先生、お願いというのは・・・。」

ここでお願いというのは、先生から財務局に連絡を入れていただき、Bさんを除く方たちは承諾がとれていることの説明。

Bさんが、ここに来て承諾をごねていること、そしてその理由として例の私道を問題に挙げて非常識なことをAさんに言ってきている。

以上のことを説明していただきたいのです。

これだけのこと自分で説明すればいいではないか。と思われる方もおいでになられるでしょうが、

いったん、ことが進み始めると私ども不動産業界の人間の話など聞いてくれないのが現実です。ここは土地家屋調査士の肩書きにお願いするしかないのです。(情けない。)

「飯島さん、そんなこと言っていいのかよ。」

Aさんが思わず私に尋ねた。

第28話 終わり

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投稿者 飯島 : 17:34

2005年10月15日

相続体験記:其の壱 第27話(借地権者との打合せ)

打合せが順次始まると、

Aさんは私がお願いしたとおり言葉を選びながら、ご説明をされている。

打合せと言っても、前半は、こちらサイドからの説明およびお願いである。後半は雑談などといった構成である。

こちらサイドから先方への説明およびお願いについては次のようなものです。

①お父様からAさんへ名義の変更がなぜ遅れているかの説明。
②今回の相続において、延納が無理なため、物納および借地権者の方への売却の意思があることならびに底地のみ売却を検討していることの説明。
③そして、物納の場合はどのようになるのか。
④購入いただいた場合の価格
それらに伴う説明を書面と併せて提示したのである。

物納とお話をすると、「ここには住めないの?」などと思われる方も多いのですが、そんなことは全くありません。底地が国の名義となり、毎年「底地を買いませんか。」と聞かれるぐらいです。

ただ、問題なのは物納をするということは国が税金を使って管理を行うということですから、借地料は今までの賃料より高くなります。

こちらは別に隠すことなく全てをご説明させていただき、先方を急がしてもいけませんので、打合せからできれば2週間以内にてご返事をいただくようお願いはいたしました。

その間にご質問などがある場合には、直接私の方へご連絡をいただき、ご説明させていただくことを確認し、初日は終了です。

如何せん11件ですから1日2件の打合せもあれば、3件の日もありました。そんなこんなですべて終了するのに10日ほど日数がかかった次第です。

私もそうなのですがAさんもかなり神経を使われたようで疲れが見て取れます。

その様子を見ていると、是が非でもまとめてあげたいと感じていました。

成果は?といいますと、2件を残して購入されると感じています。

2件の方というのは、以前にも書きましたが道路の査定が未だ終了していない箇所の方です。

ところで、このような場合どのような価格を借地権者の方へ提示するのでしょうか?

通常、相続税は路線価格にて評価をいたしますので、路線価格をもとに借地権と底地の割合にて計算をいたします。
また、時には、権利金の有り無しも反映いたします。

不動産業者の方の中でも勘違いされている方が多いのですが、毎年発表になる路線価格に借地権割合が掲載されておりますが、底地や借地権売買のとき、この借地権割合に応じて価格を按分するものと思われている方多いのには驚かされています。

この借地権割合とは相続税などの申告の際、解りやすくしたものであり、全てに当てはめるものではないのです。

勘違いされないでください。それと借地権は法律上と税務上では全く違うものです。

第27話 終わり

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投稿者 飯島 : 18:01

2005年10月13日

相続体験記:其の壱 第26話(予定変更)

Bさんとの打合せを終え、今後の予定を変えなくてはならない状況である。

借地権者の方に底地を購入いただき、相続税を支払う。そして、うまく行けば2年前の1次相続時の延納分を減らすこともできるのです。

ここに来て問題なのは、Bさんが鍵を握る「青地の承諾」が行き詰まってしまうこと。

万一、この2つの承諾をいただけない場合、2件分の借地権が手付かずのまま権利調整ができなくなります。
※借地権者など購入する方が、承諾がない(境界不明確)の状態で購入いただければ問題ないのですが。)

そこをクリアにするためには是非ともBさんの承諾が必要となるのです。

Aさんとは、取り急ぎその他の借地権者の方との打合せを優先することを決め、打合せに日時の調整に入ることにした次第です。

時の経つのは早いもので、季節は5月のゴールデンウイークを過ぎていました。

相続の申告時において物納申請を行う際、定期的に物納を進めるのか、売却に切り替えるのは定期的に物納担当官と調整を行う必要があるのです。

「現在の状況は?」・「契約はいつですか?」など細かく質問がなされるわけです。

借地権者との打合せは8月15日前までには少なくとも方向性を持たせておきたい。何とかお盆前には何とかしてあげたい、これはお手伝いをさせていただくものの本音なのです。

あと、3ヶ月・・・・。

その後、借地権者との打合せ日を決めることができ、その日を待つだけである。Aさんとは事前にどのような内容にて進めるかは打合せを終えている。

Aさんに気を付けていただきたいのは、
①「売りたくないのだけど仕方なく売るんだ。」ということを前面に出さないこと。
②進行は私の方で行うので、失礼な話自分で話を進めないでいただきたいこと。である。

基本的に相続時における借地権者の方が底地を購入されるケースは良くある話である。

購入を踏まえてこられる方に余計なことはいらないのである。

今までの経緯、今後措置 (売却・物納など)、購入される場合の価格の提示それで十分だと経験上感じているのです。

第26話 終わり

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投稿者 飯島 : 19:11

2005年10月10日

相続体験記:其の壱 第25話(承諾への最終段階3)

このような沈黙はお互いに嫌な気持ちである。

私は、Bさんの顔を見つめながら、「何でこんな形になってしまったのか」考えていた。

小さい頃に多少いじめられたとはいえ、お互いに私より一回り以上年上である、

Bさんが将来的に無くなったとき、自分の子供がAさんまたはAさんのお子様より同じことをされるということがわからないのか、不思議で仕方がない。

私は、Bさんに尋ねてみた。

「Bさん年下の私がこのようなことを申して申し訳ございませんが・・・・。」

私は続けた。

「Aさんのお気持ちで私道の持分を移転してくださる訳ですから、総合的に判断して移転していただいたほうがよろしいと思います。
私道をAさんが所有している訳ですから、永久に承諾などをいただかなければならないですよ。
万一の時の復旧費用もかかるでしょう。
しかし、お二人の関係を見ていますと、ここで区切りをつけなければいけないんではないでしょうか。
まして、このままでは、将来的にお互いのお子様まで影響されることが考えられます。」

「これは、私個人の考えですが、Bさんが最終的に私道の件を解決しなければ青地の境界立印を押せないというのであれば、私道はBさん以外に隣接地の方へ持分を移転します。」

「ふざけるな!」Bさんの怒鳴り声が響いた。
かなり怒りに触れたようである。

「もともとはAさんが悪いんだろ!土地家屋調査士だって・・・・。」

私は、Bさんの話を最後まで聞いたうえで、

「そのお気持ちは、わかります。ただ、Aさんも反省をして私道の持分を移転されるとおっしゃっているんです。Bさんも譲歩していただきたいのです。
今日は、失礼いたします。Bさんも考えていただきたいのです。1週間後の本日と同じ時間にお伺いいたします。」

Bさんの自宅を出ると午後の4時をまわっていた。3時間居たことになる。

幼いころの些細のないことがこんな形で表われるとは、お互いに想像にしていなかったことだと思います。

第25話 終わり

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投稿者 飯島 : 23:44

2005年10月08日

相続体験記:其の壱 第24話(承諾への最終段階2)

Bさんのお宅に伺うのは2回目である。

門をくぐると車が5台はおけるであろう駐車場があり、その南側が庭である。

その庭を進むと玄関となっている。

先日もそうであったが、今回も和室に通された。その和室から先程通ってきた庭が見えるのです。

「飯島さん、お待たせいたしました。」

Bさんは、かなりの量の書類らしきものを持って来られた。

「ずい分な量の書類ですね。」

「今までの調べた書類なんだよ。」

私はその後詳しくは尋ねなかったが、その数時間後にその書類が何を意味しているのか理解することになった。

私とBさんは一般的な話をした後、協定書について打ち合わせを始めた。

Bさんの問題点は、持分を持つことによる復旧費用を持たなければならいリスクのことである。

それを取り除くように隣接地の方全員に持分を移転し、将来公道(市)へ帰属できる状態を整え、協定書を締結しておく。

その前提として、まずBさんにその旨をご理解いただき、そのうえ隣接地の方々へ前回お話したように問題点を一人ひとり解決していかなけばならない。

以上のことをBさんへ説明した。

Bさんとの話の中で、以前Bさん公道へ移管できないか確認した経緯があるらしいのです。要するに始めから、公道へ移管することはかなり難しいことを認識していたようである。

「飯島さん、難しいでしょう?私は以前、役所に行って調べたんだよ。この書類がその当時の調べた内容。」

「以前からご存知だったんですか。Bさん、公道へ移管できないか、確認したことをなぜ黙っていたんですか?」

Aさんに対して良い感情をお持ちでないことは聞いておりましたが、このようなことをされなくてもいいはず。

結果として、始めから無理な話を押し付けてきたということである。

私は、Bさんに対し1つ質問をしてみた。

「Bさん、間違えであれば謝罪いたしますが、最終的には私道を一人の名義で移転してもらおうと考えていたんではないですか。」

Bさんは、黙ったままである。

「青地の境界の立会印はいただけますか。」再度私は、尋ねてみた。

また、Bさんの沈黙が続いた。

第24話 終わり

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投稿者 飯島 : 23:31

2005年10月06日

相続体験記:其の壱 第23話(承諾への最終段階)

翌日、Bさん宅へ訪問をする前にAさん宅へ伺うことにした。

先日、借地権者の方の返事の確認のためである。

「Aさん、昨日の借地権者の方へ通知を出していただきましたが、その後いかがでしょうか。」

「ある程度、返事があって、こちらの都合に合わせくれるようです。」

あたしは、市役所への調査内容を説明した。

「そうですか、結構難しいですよね。飯島さんの考えはどうなんですか。」

「問題は今、ご説明した部分なんです。この問題となっている方に承知していただけるだけのメリットをこちらサイドが用意できれば承諾はいただけると考えております。」

「なるほど、考え方が違うんだね。今、説明を聞いていたら無理だと思っていました。それで、どのようなことを用意するんですか。」

私は、メリットについての説明に入った。

①道路内にいくつもの管が埋設されていると掘削の際、間違って他の管などを傷つけてしまう可能性などのリスク(逆を言えば公設管にしておけば水道局が補修などをしてくれる)、
②私道と公道の評価(市場価格と銀行などの融資を行う場合での評価価格)の違い、
③スミきりを寄付と言っても何坪もあるわけではない、公道なった場合の将来的な価値、そのことによる近隣からの感謝。

簡単に説明させていただくと以上のような点である、
※実際にはメリット・デメリットを詳細に分析をしてレポートにしております。

「確かにそう言われるとそうだよな。できそうだね。」

「落胆させるようですが、そうでもないんですよ。如何せん相手の様子がわかりませんから。」

ここで言う「様子」というのは、私どもの提供案が相手の価値と同等かそれ以上のものかである。
もし、それ以下であれば相手にされる筈などないのです。そのためには、何度かお会いして、不動産についてどのような考えを持っているのか、そこから確認していかなければならない。

その後、Aさんとは今まで連絡が入っている方との調整に入った。

運良く私道に接している方のうち1名、その返事のあった方に含まれていた。

「Aさん、取り急ぎこの方とコンタクトをとりましょう。」

「それでは、○○日の○○時ということで、よろしいですね。」

私は、Aさんとの打合せを終え、Bさん宅へ向かった。

第23話 終わり

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投稿者 飯島 : 16:58

2005年10月03日

相続体験記:其の壱 第22話(承諾と借地権売却3)

協定書を作成のうえ、Bさんへお届けする前に市役所へよることにした。

何を確認するか?というと私道を市へ帰属することができないかである。

帰属さえできれば問題など生じないはず。

まず、市への帰属がどれほど可能性があるのか、また、市へ帰属するにはどのような方策があるのか。

その点を確認しておきたかったのである。

関係部署へ調査の結果、次の問題を解決する必要が生ずることが判明した。

1 位置指定を受けた状況に確保されているか。
2 上水道の管が私設管である場合、公設管へ変更。
3 下水道の管が私設管である場合、公設管へ変更。
  ※下水道管は申請をすれば時期は未定となりますが補助金で公設管へ整備していただけます。
  ※東京ガスの場合には私道であっても東京ガスの公設管となっております。
4 市の基準である舗装を行うこと。
5 公道(建築基準法の道路)へ接する部分に市の基準となるスミきりがない場合にはその確保。
※各市長村によって多少違いがあるようですので、ご注意ください。

市にとって道路の整備は市民の生活の上でも必要不可欠な問題です。まして、私道の帰属を受けるとなればその後の管理は市へ移転します。そしてその維持管理費は税金となる訳です。

それだけ、市へ帰属するには整備の状況が問題となるようです。

今回、基準に適合していないのは2,4,5の3点です。かなり難しい問題となるでしょう。

また、その中でも一番の問題は、5のスミきりです。スミきりがないということは、そのスミきりの部分は私有地となっているわけです。

それを将来、スミきりとして寄付してくださるようにご協力いただかなくてはならない。やはり、簡単には帰属できません。

ただ、全く出来ないというわけではなさそうです。「このような問題を解決しなくては、信用も生まれない。」そう、自分に言い聞かせるしかないのが現状でした。

第22話 終わり

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投稿者 飯島 : 20:31

2005年10月01日

相続体験記:其の壱 第21話(承諾と借地権売却2)

借地権者の方への手紙は、Aさんから直接お持ちいただき、後は、皆様の連絡を待つだけである。

その間に何とか、Bさんとの交渉を終えなければならない。

Bさんとは、定期的に打合せを行うことになっていた。今日がその1回目(お会いするのは2回目)である。

「こんにちは、飯島興産です。」、「どうぞあがってください。」

「Bさん、私道の件でAさんと色々な角度から考えてみまして・・・・。今回の相続にて私道に接しているAさんの土地を借地権者の方に売却する方向で動いているんです。」
私は、今現在どのような動きをしていて、Bさんに私道の一部の持分を持っていただき、復旧費用なども皆さんが負担するよう協定書を作成するなど方法をとる旨を説明した。

「飯島さん、協定書の件ですが、公正証書にはできないんですか?」

「実は私も公正証書に出来ないか考えてみたのですが、以前にも同じようなことがありまして、公証役場、顧問の弁護士に尋ねてみたのですが、私道の協定書と言うのは「なじまない」というのが答えでした。」

「そうか?実は、私も何か書類を作成して公正証書にすればどのうなのかなぁと考えて、公証役場へ聞いてみたんだよ。答えは飯島さんの説明と同じだったよ。」

「持分を持って、協定書ねぇ。」

ここで時間をかけても前に進まない。

「Bさん、以前にも作った協定書があるので多少の変更をして、明日にはご持参いたいします。」

「申し訳ないが、明日はいないので、持参してくれるのであれば家の女房に渡しておいてくれますか。」

「解りました。明日の○○時頃持参いたします。その後、あさってはお会いできますか。」

「いいですよ。あさっての○○時に来てください。」

私は、すぐに事務所に帰り、協定書の作成に入ることにした。

《ワンポイントアドバイス》

●私道の協定書について
なぜ?協定書など作成するのか?と思われている方もおいでになると思います。
私道で持分を持っているんだからいいんではないか。と感じている方もおいでになると思います。
実際に私道に接している方にて協定書を作成しているケースは非常に少ないです。

どうして作成するのか?
1.私道というのは、その言葉のとおり公の機関が所有しているものではなく、掘削等私道をいじる場合には、各所有者に承諾書をいただかないとなりません。

2.各個人(法人の場合もある)の解釈によるトラブルが起こりやすい。
等いくつかの要因が挙げられるわけです。そのような無用なトラブル等を未然に防ぎ、各所有者の意思と統一するために私は必要と考えているわけです。
また、トラブルになったとき、協定書があるとないのではかなり違って来るのです。(このことを知らない方が多いですが。)

ちなみに協定書にどのような内容を記載するべきなのか列記しておきますのでご参考にいていただければと思います。
①目的 ②適用される方の範囲 ③禁止事項 ④承諾事項 ⑤費用負担 ⑥諸規定の継承
⑦効力 ⑧有効期限 ⑨違反者への是正 ⑩変更ならびに廃止 ⑪伝達の方法 ⑫代表者
⑬届出関係 ⑭単独譲渡禁止について ⑮管轄裁判所について ⑯規定外事項について
⑰そのほか そして航空地図、位置指定図、承諾書などの見本

第21話 終わり

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投稿者 飯島 : 21:02